【前川も売却活動してみたお話・・・センチメンタル】不動産一括査定は、よくない!

こんにちは、URUFUの前川です。(^_^)
不動産売却サイトで一括査定というものがあります。一回の簡単な物件情報と個人情報の記入で、知りたい物件の売却予想価格が複数の不動産会社から送られてきます。

私も個人の不動産売却の立場と不動産会社会社(URUFU)としての立場、両方の立場から利用したことがあります。今回は実際に自分が個人として利用した不動産一括査定について、実際の不動産売却活動と照らして検証したいと思います。



売却を考えるまでの経緯

まだ不動産業に従じる以前、田舎の土地・家の売却を考えました。祖母が亡くなり、近くに親戚もいないため、その家を利用することが無くなり、5年ほどが経っていました。

賃貸も考えたこともありましたが、田舎の家でして広さも無駄にあり、何せ物が多いため、その整理を考えるだけで億劫なくらいでした。古い家で暫く無人だったため、あらゆる箇所にガタが来ており、もし荷物の整理がついてもリフォームにどれだけかかるのかも心配でした。

いくつかのリフォーム業者に来てもらい、リフォームの査定もしてみましたが、将来の賃貸価格で賄える金額ではありませんでした。
田舎なので幸い税金(固定資産税)としては苦にならない金額でしたが、毎年の庭木の手入れ費用の方が高くついていました。(;_;)

↓実際の写真です。庭木は家の周囲に様々な木々が植えられており、何もしないと森のように生い茂ります!(°_°)

住んでいないので持ち主としては、どうでもいいのですが、町内会や近隣から剪定の要請連絡が入ります。年に2回庭木の剪定だけで10万円弱はかかっていました。そのうち空き家対策法などの国会議論も出てきて、売却の考えが芽生えました・・・。

ここで、行動の早い人はサクッと街の不動産屋にでも売却相談に行くのでしょう・・・。
私は行動が遅い方でして、仏間に仏壇も残されており、売却前にお坊さんも呼ばなきゃと思うと・・・ますます億劫になり、しかも先祖代々の土地とか家族思い出の家とか、センチメンタルな義務感でそのままにしておかなきゃ!!的な、つまりは何もしないという不作為の時間を費やしました。

しかし、これから将来センチメンタルのために毎年十数万も支払っていく余裕はありません!親戚との話の後、売却の合意も取れたので、ようやく売却への精神的梶を取ることにしました。



一括査定サイトを利用

ネットで"不動産・売却"と入力すると、宣伝広告も含めいくつもの一括査定のサイトが上位にきています。

確かに簡単です!物件情報を入力したら、複数の不動産会社から査定結果が送られてきました。それから暫くは営業の電話、メールが続々と。ちょっとだけ嫌気が・・・

査定金額は、ピンキリとまでは言いませんが、かなり差がありました。家の状態も見ていないのに、よくもまあ金額が出せるなぁ、と。(`_´)

当時は何も不動産知識なしです。今なら分かりますが、土地の形状、広さ、周辺物件の過去成約事例を基にしているので、古い家自体の価値は¥0なんですね。¥0というか更地にしてから売るなら解体費用がかかるため、むしろその査定額からマイナスしないといけません。

解体費用も別途専門業者をいくつか現地を見てもらい算定してもらいました。家だけじゃなく庭木、庭石、石垣もあったため100万円から300万円の見積幅がありました。

もともと先祖の土地です。自分が汗水流して手に入れた資産ではありませんから、儲けは考えていませんでしたが、"少しでも高く"というのは人というものです・・・。私も人です・・・。m(_ _)m

査定の結果は複数の不動産会社から来ましたが、高い査定金額提示の会社に頼むことが良いことなのかどうか、甚だ疑問でした。そこは慎重な方です。笑



不動産売却活動を自分でやってみた

一括査定のメールをないがしろに月日は経ち、たまたま私自身が不動産業に従事することになりました。

そして、かの空き家も庭木が生い茂り、ガラスが割られコソ泥の侵入があり(盗られるような物はありませんでしたが、裏手の部屋の鍵の部分が割られていました)目下売却急ぐべし、時は今だ!と決意し、ちょうど売却専門の不動産会社でもあったので、URUFUで売却活動を始めてみました。

実際には自分で、というより西村のアドバイスを乞いながらですが・・・。
エリアや土地の広さによって、売却活動って少しづつ違うものなんです。今回の場合、全国の投資家が目を付けるような投資物件でもないし、広さ的に今時代個人で購入するような広さでもない(200坪程)、しかも田舎。しいて良い所は田舎駅とは言えJR駅近という点。

こういう場合、購入ターゲットは物件近隣の方ということになります。広さが広さだけに、購入ターゲットはいきなりのエンドユーザ―は厳しいとの判断からデベロッパー又は近隣不動産に情報を拡散します。

誰も見向きもしない田舎の物件と思っていましたが、これだけの情報拡散の効果あって選べる程度の売却相手が、なんと1ヶ月以内に現れました。狙いの通り、地元の買い取り不動産が名乗りを上げました。

あとは、細かい条件をどこまで押し引きするか、と言うテクニックが最終的な売却価格を左右します。この物件の場合、サイドの道が2項道路(幅4m未満の道のこと)であったため、建て替えの場合セットバック(建物の上部を下部よりも後退させること)が必要でした。

通常このような場合の売買は登記簿上の面積からセットバック分の面積を引いた価格になりますが、西村の交渉のおかげで元の登記簿上の面積での計算で行うことができました!

家屋や庭木庭石等の解体撤去費用は、買い取り価格から差っ引かれますが、以前の見積もり費用から一番安値の費用で済ませることができました。実際は古井戸があって埋め直しにも費用がかかっているはずです。勿論、そのことは重要事項説明でも先方にお伝えした上で、上乗せ費用はかかりませんでした。

(↓後日解体現場を少し覗きました。)

また、不動産を売却したことによって生じる譲渡所得には所得税や住民税が課税されますが、居住用物件の場合条件によっては特別控除という特例があります。
条件などで少し複雑になりますので、ここでは割愛しますが、自己物件を教材として売却後の税金という、これも一括査定では取り上げられないことも学習できました。



一括査定と照らし合わせると

無事売却を終えて、かつての一括査定を考えると、全くかけ離れたものです。
大手不動産の一括査定は細かい所が何も考慮されておらず、"目ぼし"程度にはなるかも知れませんが、その査定金額を念頭に次の購入だったり、相続金分配の資料とするのは、大きな危険があります。


机上と実際がこれだけ乖離していることが分かって、一括査定とは何ぞや、と思います。

当社(URUFU)も、会社として一括査定の業者として一度登録したことがあります。査定をしてもらうユーザー側は査定無料ですが、登録業者側は一件につき1万円から1万5千円の情報料をサイト運営側に支払う仕組みです。

どんなに角度の低い案件(ユーザー側からすると、売る気はないけど興味本位で価格だけ知りたい)であっても、業者側は情報料を支払わなければなりません。サイト運営側は、1件の情報を5社から10社に提供しますので、それだけで10万円以上の利益になります。

業者側は1件の案件を巡って複数社が取り合いとなります。(なのでユーザー側にはたくさんの連絡が来ますね。)せっかく情報料を払っていますので、案件ゲットのために、相場以上の査定金額を出したり、しつこい営業をかけ続けたりというのは当然なのかもしれません。今はすでに当社は一括査定の登録を止めています。



まとめ

一括査定サイトは、楽しておおよその価格を知る程度としては利用できますが、本気で売却を考えている方にはお勧めできません。

本気で売却を考える方は、訪問査定でしっかりと物件を見てもらい今後の資金計画や税金のこと等も含めて、ご相談されることをお勧めします。たとえ、その会社に依頼しないとしても訪問査定までは、一括査定サイトと同様たいていの不動産会社は無料ですからね。

不動産というものは、その人にしか分からない、いろいろな思い入れがあるものです。経験したからこそ、見えてくるものが多々あるので、URUFUでそういう方々の気持ちをたくさんくみとりたいですね。

売却後すでに数年が経ちましたが、昔のメールアドレスには今でも一括査定の不動産屋から定期的に営業のメールが入り続けています。
・・・やれやれ、不動産屋(-_-)



前川和俊

不動産売買デベロップメント(株)一社員 開業支援のコンサルティング会社を経て、個々の独立開業のお手伝いをしてきました。 不動産との係わることはこれまでにもありましたが、本業として不動産業に携わるのは初ですので、 業界の疑問点や改善すべき慣習にピュアに取り組んでいます。 福岡を主に九州他県や地方からの情報発信を行ってまいります。