【スルガ銀行の不正融資問題】被害者の方から売却依頼がありました【さんため業者】

今回は、「かぼちゃの馬車(スマートデイズ)」の経営破綻で不正が明るみになっている「スルガ銀行」についてです。

ネット上では「かぼちゃの馬車」の不正についてだけ取沙汰されていますが、実際に当社に売却相談があった問題が、今後、波及するであろう不動産投資物件の"買主はめこみ"について不動産会社サイドから見ていきたいと思います。

不動産関係者の方はこの時が来たかと思っている方も多いことでしょう。また実際にスルガ銀行を使って莫大な利益を上げていた「三為(さんため)業者」の方は大打撃を受けているのではないでしょうか?

最近、スルガ銀行の問題同様、不動産業界で問題になっているTATERUの記事はこちら。「TATERUの改ざん問題は、何が問題なのか」元社員とのインタビュー



三為(さんため)業者とは?

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一般の方は、三為(さんため)業者について、あまりピンとこないかもしれませんが

さんため・・・者の、ために契約を行う転売業者
(A)一般の不動産オーナー(売主)から、(B)三為業者が不動産を買い取り、(C)一般の投資家に転売する事を三為(さんため)というわけです。
第三者のために契約を行う為、専門的に言うと、合法的に「中間省略登記」ができるので、(B)三為(さんため)業者は登記簿上でてきません。登記をしないので三為(さんため)業者は不動産取得税、登録免許税を払わなくてすみます。

不動産を売買する際、必ず所有権を書き換える作業をしなければならないのですが、例えば1億の物件だと、税金を150万〜200万払わなくてはいけません。これを払わなくて済むなんて・・・そりゃあ、おいしい話です(-_-)まあ、ぜんぜん第三者のためとは思えませんが。



利益は一回で数千万円??正に、お金の成る木

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私が実際に聞いた「三為(さんため)業者」からの話ですが、2.5億程の物件を購入し3億円程で売却し数千万円の利益を上げ、購入後に管理費等の収益も永続的に上げるので、正にお金の成る木だとか・・・・。

スルガ銀行も年利4.5%(普通じゃありえない金利)なので、3億の物件で最低でも年間1,350万円の収益ですね。

ひどいお話ですが、金利が高い上、毎月の支払いが家賃収入より多くなったり、残債額と同値でも売却してもなかなか売れず、はめこまれてしまった買主は、手放したくても、手放せない状況を招いているのです。



なぜこのような物件を購入したのか?

プロの不動産投資家は収入、金利、物件価格等を比較したら絶対に購入しません。

セミプロや素人の不動産投資家の方は三為(さんため)業者の営業マンに色々と、さぞかし、あま〜〜〜い営業トークされたのではないでしょうか?

「これであなたも、自己資金0円で不動産投資家になれる!」

「念願の不労所得が現実になります!」

「退職後の将来の不安が解消できます!」などなど・・・。



三為(さんため)業者の仕入れ先は不動産仲介会社

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「三為(さんため)業者」は当社のような不動産仲介(売却物件を持っている)を専門に行っている不動産会社から物件を仕入れている事が多いので、以前は当社にも毎日のように全国の「三為(さんため)業者」から下記のような営業電話は掛かってきてました。

特に関東の三為業者が多かったです。とにかく押しの強いゴリゴリの営業マンのイメージが強かったですね。

三為(さんため)業者:「仲介手数料(物件価格の3%)+αをお支払いしますので安い物件を紹介してください、でもスルガ銀行で抵当権が入っている物件はNGです。」

当  社:「そのような物件はございません」

今回の問題が表沙汰になってからは三為(さんため)業者からの営業電話は全くなくなりました。・・・(^_^;)



不動産業界用語「スルガスキーム」

三為(さんため)業者とスルガ銀行は、買主にスルガ銀行で融資を組ませるスキーム(計画)がでていたので、すでにスルガ銀行で融資を受けている物件はほぼNGでした。業界用語で「スルガスキーム」なんて用語もあった程です。

ここで三為(さんため)業者とスルガ銀行が結託し、買主が融資申し込みに必要な書類(銀行通帳・源泉徴収票・レントロールなど)の改ざんが行われ異常融資が行われていたようですね。

融資を通すために、何千万かの大金を購入者の預金通帳に振り込み、あたかも自己資金があるように見せかけたり・・・

自己資金0円で不動産投資家になれるという甘い誘い文句の裏が、これかと分かると・・・。

基本的に三為(さんため)業者からの物件は高額なので、メガバンク等の大手銀行では融資がおりないので、スルガ銀行だけの隙間だったんでしょう。



スルガバブルの被害者は一般の買主と売主

登記簿上でみると三為(さんため)業者はでてこないので、売主と買主が売買契約を行ったように見えますが、売主は三為(さんため)業者がいくらで転売したかも知りませんし、買主は三為(さんため)業者業者がいくらで仕入れたかも知りません。

法律的には合法な取引ですが、売主、買主は本当の価格を知ったら騙された。と思うのが一般的ではないでしょうか?

三為(さんため)業者は転売益で莫大な利益を上げ、スルガ銀行は金利(年間金利約4.5%程)で利益を上げる。お互いwin-winの関係だったので、ここまで被害が広がったのでしょう。



スルガ銀行(8358)株価にも影響

下のチャートをみても、問題発覚から約50%も値下がりしているので株式投資家の方にも影響がでていますね。

今後のスルガ銀行の対応でどのようになるか先行きは不安です。

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ウルフに売却の依頼(セカンドオピニオン)

1年程前に東京在住の某大手企業の社員の方から、当社にスルガ銀行から融資を受けている不動産の売却依頼がありました。

A様 50代男性 
某大手企業勤務 
年収2,000万

【保有物件】
1棟マンション 2憶 (表面利回り約7%)
1棟マンション 3億 (表面利回り約7.5%)
※2物件共にスルガ銀行で融資


ご相談を受けて東京にお会いに行きましたが、印象として不動産屋に相当不信感を持っているご様子でした。現在でも給料を毎月の支払にあてており、このままこの不動産を保有し、将来どのようになるか不安でしょうがないとの事でした。



・毎月の支払が家賃収入より多くなってしまった。
・管理費や退去後の原状回復費用が高いのではないのか。
・残債額と同額で売却したい。


これらの原因はやはり異常融資が原因です。通常のメガバンクでは相当の自己資金を入れないと購入できません。

逆をかえせばメガバンクで融資が通らないので、購入者がいないともなります。まさに隙間産業・・・。

実際に当社で売却を開始しましたが、残債額が全く減っていなかったので、売却金額が高額だったのと、スルガ銀行で抵当権が入っていたので敬遠された事もあり、やはり成約には至りませんでしたので、下記ご提案をしました。

・スルガ銀行との金利交渉
・管理会社の変更
・毎月の維持管理費の見直し
・空室対策、募集内容の変更


これらを行い、不動産価値を上げ、ランニングさせ残債額を減らした後に売却を行う方向で進めている状況です。



最後に

ご相談いただいたお客様もそうでしたが、すでに不動産業界に不信感を抱いている方は多いと思います。今回のスルガ銀行の問題でさらに不動産業界への不信感は強まるばかりです。真面目にコツコツとやっている不動産会社からしたら大変迷惑な話です。

不動産投資はそう簡単なものではありません。不動産投資家の方はご自分で知識を付け、不動産会社を回り信頼のできる担当者を見つける事が一番重要かと思います。

不動産投資はそう簡単においしい話はないので、おいしい話には注意してください。この問題を機に、お持ちの投資用不動産を見直し物件価値を上げてみてはいかがでしょうか?

私も不動産業界が安心して取引できるよう、これからも信頼していただけるよう仕事に邁進していきますので、これからもよろしくお願い致します。



西村博貴

不動産売買デベロップメント(株)代表取締役 宅地建物取引士 ソニー不動産を退職後、九州不動産業界の透明化を目指し2016年福岡県にて 「不動産売買デベロップメント」を起業。 両手仲介を行わない不動産売買の売却のみ専門に行うサービス「URUFU(売る不動産)」の運営を開始。 趣味は旨いもの探しと読書。