福岡市  風呂無し物件と銭湯のゆくえ

2017/06/01

URUFU(ウルフ)の前川です。

最近銭湯って行きますか?
東京では歩いていると偶に見かけることがあります。ここ福岡でも、こんなところに銭湯あったんだー、と。

会社近くの銭湯

本庄湯

住所 福岡市中央区今泉1-3-10
電話番号 092-741-0709
営業時間 16:00から23:00
定休日 毎週金曜日
入浴料金 小人70円・中人180円・大人440円


もはや自分の世代(30代)は銭湯懐かしい!という世代ではないと思いますが、
何かノスタルジアを感じるのは日本人だからでしょうか?。

1.銭湯の数

銭湯は厚生労働省の公衆浴場法の中の浴場業として規定されており、都道府県知事の許可制となっています。
その他細かいところは地方地方で条例で決められており、福岡市は政令指定都市なので、大部分の権限が市に委ねられています。
浴場業には銭湯だけでなく温泉施設や大浴場を持つ簡易宿泊所も含まれます。
特に銭湯は一般公衆浴場と呼ばれるようです。

現在福岡県内のその数は45件程度。
銭湯の数が一番多かったと言われる1970年頃には650件弱なので、もはや1割以下しか生き残っていません。

平成27年現在、福岡市内のいわゆる昔風の銭湯は13件です。
昔風か今風かは主観が入っていますが、行政上の銭湯は外観が古かろうがリニューアルして今時だろうが一般公衆浴場のカテゴリーです。

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出典データ:厚生労働省HP 平成27年度衛生行政報告例
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001162868
第4章 生活衛生 
9.公衆浴場数,公-私営別;許可・廃止・処分件数,都道府県-指定都市-中核市(再掲)別

2.減少の要因としては(経営上の問題点)

  1. 客数の減少 
  2. 燃料費の上昇 
  3. 施設・設備の老朽化 
  4. 光熱費の上昇 

となっています。

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出典:(厚生労働省「生活衛生関係営業経営実態調査」による。
平成24年度生活衛生関係営業経営実態調査 結果概要より
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu-eisei/seikatsu-eisei22/index.html


1の客数の減少は、居住環境の向上で各戸の内風呂普及率が上がったこと(現在では95%超)や、スーパー銭湯などの娯楽施設で大浴場を楽しむといった必需からレジャーへといった浴場に対する生活ニーズの変革があります。


全国的に同様の状況ですが、特に福岡は人口割合からしても全国より減少スピードが速いようです。
他の大都市に比べて、後発の都市開発ということ、地価の安さ、街の広がりが確保できる土地があった等のことが要因ではないかと思います。


2や4は政治・経済事情で変化するものですが利用者減少で、その時々の価格の振れ幅を許容できなくなっていると考えられます。

3は、もちろん。古くから親しまれている銭湯程、年季が入っています。
建物も常連さんも番台さんも。さらに、お湯を流し続ける建物なので湿気やらで通常の建物よりも傷みが早いと言われています。

上記以外にも、実体験から思い当る銭湯数の減少の要因があります。

自宅の風呂の温水機能の不具合や遠出、出張の際に、近所の銭湯を利用しようと思っても営業時間と合わないという経験があります。

例えば、会社から一番近い銭湯「本庄湯」の営業時間は、16:00~23:00 ですが、その他の銭湯も、営業時間は似たようなものです。
朝シャンや24時間営業に慣れた現代の生活事情に幾分そぐわなくなったという理由もあると思われます。

福岡市内の銭湯の営業時間

鶴亀湯 15:00から24:00
大徳湯 15:30から22:30
大黒湯 15:00から22:00
こがね湯 14:00から22:00
荒戸湯 17:00から24:00
梅の湯 16:00から22:30
千石湯 15:00から24:00
阿蘇の湯 16:00から22:30
西公園浴場 17:00から23:00
長尾湯 15:00から24:00
東湯 14:30から22:30

私は去年の夏、24時間開いているフィットネスのシャワーだけ使っていました、運動もせず・・。
浴場に浸かりたい時は、大浴場付カプセルホテルの早朝の割引タイムに行ってました。
銭湯に代替する場所が増えた、という事情もあるのではないでしょうか。

3.風呂なし物件って福岡市内で家賃いくら?

そもそも福岡市内で、風呂トイレ無しの物件があるのか調べてみました。

あることにはありました。
トイレはあるし水洗だし。インターフォンも付いてる。エアコンも。
共益費を含めると、25,000円/月です。

東京大阪などの大都市や京都などの古い街や学生街のある都市では、まだ探そうと思えば見つかるようですが、風呂トイレ無し物件は福岡だと見つける事さえ難しい。
なにせ風呂トイレ完備で、先ほどの物件より賃料の安い物件が多くありますから。
(先日知り合いの物件探しで、姪浜近辺・賃料1.5万円・1DK・風呂トイレ別クラスの物件が数件程も出てきました。)

※実際に借りる際は、駅からの距離、内装のリフォーム有無、周辺環境など比較しなければ良し悪しは言えませんが、
今回は賃料のみを比較しました。

4.まとめ  これからの銭湯

厚生労働省「浴場業の振興指針」には、これからの銭湯の役割は地域住民のサロンとしての活用が謳われています。
高齢化を考えるとバリアフリー化や燃料の転換、経営者の育成など幾多の試練があります。

社会の発展と反比例して淘汰される業種なのかも知れませんが、無くならないで欲しい街の風景の一つです。
風呂なし物件が無くなっていけば、銭湯も減っていく、風呂なし物件と銭湯の相関関係がありそうですね。

前川和俊

不動産売買デベロップメント(株)一社員 開業支援のコンサルティング会社を経て、個々の独立開業のお手伝いをしてきました。 不動産との係わることはこれまでにもありましたが、本業として不動産業に携わるのは初ですので、 業界の疑問点や改善すべき慣習にピュアに取り組んでいます。 福岡を主に九州他県や地方からの情報発信を行ってまいります。