不動産売却の仲介手数料

2016/06/26

不動産売却の仲介手数料

不動産売却にかかる諸費用の中で最も高額になるのが「仲介手数料」です。そもそも不動産会社に支払う「仲介手数料」とはどのような費用を指すのでしょうか。以下、仲介手数料について詳しく見ていきましょう。

仲介手数料の定義

不動産売買取引において、不動産会社(仲介会社)が介在して成約した際に発生する費用のことです。「仲介報酬」や「仲手(ちゅうて)」と呼ばれることもあります。

仲介手数料は、中古不動産を仲介する不動産会社にとって唯一の収入(報酬)です。売却活動中の広告活動、契約書・重要事項説明書などの作成、内見(内覧)の立ち会い、買主との交渉など、すべての業務に対する報酬が含まれています。

仲介手数料の料率

仲介手数料は法律(宅地建物取引業法)により明確に上限が定められています。成約価格の金額区分ごとに上限が設けられておりますが、定められた費用を超えて支払うことは一切ありません。

「金額区分ごと」とは、成約価格を3区分に分け、それぞれ異なる料率で計算することを表しています。

金額区分ごとの仲介手数料上限額

取引額のうち200万円以下に該当する金額
報酬額:取引額の5.4%以内
取引額のうち200万円以上400万円以下に該当する金額
報酬額:取引額の4.32%以内
取引額のうち400万円以上に該当する金額
報酬額:取引額の3.24%以内

* 報酬額は消費税および地方消費税相当額を含みます。

仲介手数料の上限額の計算例(1,000万円の土地を売却した場合)

上限額の簡易式(400万円を超える場合)

計算式
売買価格 × 3.0% + 64,800円 = 仲介手数料の上限額

売買価格が400万円を超える物件では、上記の簡易式でも上限額の算出が可能です。

仲介手数料の支払い時期

仲介手数料の支払い時期は不動産会社ごとに異なりますが、一般的に、半額ずつ2回(契約時と引渡し時)で支払う場合と、全額を1回(残代金決済時)で支払う場合とに分けられます。成功報酬のような意味合いも強く、売買契約が締結した後に支払うのが原則です。

成約後の報酬との位置付けになりますので、売却活動を途中で取りやめた場合や買主が見つからなかった場合など、成約に至らなければ仲介手数料は一切かかりません。

しかしながら、成約していないにも関わらず「売却活動の経費」を請求する仲介会社があるとの噂も耳にしますので、媒介契約を結んだ際には、仲介手数料の支払い時期などをしっかりと確認しておくことをお勧めいたします。

売却時の「仲介手数料ゼロ」の意味

極稀に不動産売却時の仲介手数料を「ゼロ」と明示しているサイトを見かけますが、不動産会社にとっての唯一の収入が仲介手数料であることに疑う余地はありません。つまり、売り手からは報酬をいただかない代わりに、買い手からは報酬を得ているのです。

こうした不動産会社は、収入が買主からの報酬だけとなりますので、必ず自社で購入検討者を見つけて成約に結び付けなければなりません。いわゆる「情報の囲い込み(紹介拒否)」を行い、物件情報を他社へ紹介することなく、自社の顧客が提示した購入希望価格を最優先に考えて売却活動を進めることになるのです。このような取引形態も一種の「両手取引(仲介)」と考えられるのではないでしょうか。

図1:両手仲介(両手取引)のイメージ両手仲介(両手取引)のイメージ

「両手取引(仲介)」は売却情報の公開が促進されず、不動産会社が成約を急ぐあまりに、売却価格が安くなってしまうという弊害もあります。仲介手数料がゼロだからといって売却価格が高くなるわけでも、最終的に手元に残る資金が必ず多くなるわけでもないことにご注意ください。

西村博貴

不動産売買デベロップメント(株)代表取締役 宅地建物取引士 ソニー不動産を退職後、九州不動産業界の透明化を目指し2016年福岡県にて 「不動産売買デベロップメント」を起業。 両手仲介を行わない不動産売買の売却のみ専門に行うサービス「URUFU(売る不動産)」の運営を開始。 趣味は旨いもの探しと読書。